インスペクションは義務ではない|2018年に義務化されたのは「あっせんの説明」

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インスペクションは義務ではない|義務化されたのは「あっせんの説明」

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2018年4月の宅地建物取引業法の改正で、中古住宅の取引にインスペクション(建物状況調査)が関わるようになりました。ただし義務化されたのは調査そのものではなく、調査を実施する者をあっせんできるかどうかの説明です。この違いを取り違えると、「中古住宅は必ず検査されている」と思い込むことになります。この記事では、制度の実際の中身を公的資料で確認します。

義務になったのは「説明」であって「調査」ではない

国土交通省は、宅建業法改正により2018年4月1日から既存住宅取引における建物状況調査の結果が重要事項説明の対象になったと説明しています。義務づけられた内容を分けると次のようになります。

2018年4月の宅建業法改正で義務づけられたこと
場面 義務の内容
媒介契約時 建物状況調査を実施する者のあっせんの有無を説明する
重要事項説明時 調査が行われている場合、その結果の概要を説明する
売買契約時 建物の状況について当事者双方が確認した事項を書面で交付する

出典:国土交通省、宅地建物取引業法/確認日2026年8月14日

つまり、すべての中古住宅に調査を義務づけた制度ではありません。調査が行われていない物件であれば、「行われていない」ことが説明されるだけです(当サイトの整理です)。買う側から見れば、調査を希望するかどうかは自分で判断する必要があります。

調査するのは講習を修了した建築士

既存住宅状況調査を行うのは、既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士です。既存住宅状況調査は建築士法上の建築物の調査に該当するため、報酬を得て行う場合は建築士事務所の登録も必要になります。

調査は国が定める既存住宅状況調査方法基準に従い、目視・計測等の非破壊調査を基本とします。見るのは、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の劣化事象等です。

非破壊調査であるという点は押さえておく必要があります。壁の中や床下の見えない部分をすべて確認するものではありません(当サイトの整理です)。雨水の浸入を防止する部分が新築の10年保証の対象と同じ範囲である点は雨漏りの保証の記事で扱っています。

調査費用の目安は公的資料にない

インスペクションの費用について、官公庁が示す統一的な目安は、確認した範囲では見つかりませんでした。民間事業者の料金表はありますが、当サイトでは公的資料で裏が取れないものは書きません。

同じ状況にある分野としてリフォーム費用の公的統計の記事や外構工事の相場統計の記事があります。

瑕疵保険は買主が申し込むものではない

既存住宅売買瑕疵保険は、中古住宅の売買で使われる保険です。ここで注意したいのは、買主が直接申し込む保険ではないという点です。

既存住宅売買瑕疵保険の2つのタイプ(2026年8月14日時点)
— 宅建業者販売タイプ 個人間売買タイプ
加入する人 売主である宅建業者 検査事業者または仲介事業者
保険期間 2年または5年 1年・2年・5年
主な対象 構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分
保険金額 500万円・1,000万円などの区分
加入の条件 検査に適合すること

出典:住宅瑕疵担保責任保険協会、国土交通省/確認日2026年8月14日

加入には検査に適合することが必要です。つまり、インスペクションと瑕疵保険はつながっています。保険に入れる物件かどうかを確認する過程で、建物の状態も確認されることになります(当サイトの整理です)。

安心R住宅は国の審査ではない

中古住宅の表示制度として安心R住宅があります。耐震性があり、インスペクションが行われ、リフォーム等について情報提供が行われる既存住宅を対象とする制度です。

ただし、国が個別の住宅を審査して認定するものではありません。国に登録された事業者団体の構成員が、要件に適合する旨を表示する仕組みです(当サイトの整理です)。表示があること自体は情報の目安になりますが、国のお墨付きという意味ではありません。

まとめ

2018年4月の宅建業法改正で義務づけられたのは、建物状況調査を実施する者のあっせんの有無の説明、調査結果の概要の説明、当事者双方が確認した事項の書面交付です。調査そのものが全物件に義務づけられたわけではありません。調査は講習を修了した建築士が、国の基準に従って目視・計測等の非破壊調査で行います。費用の公的な目安は見つかりませんでした。既存住宅売買瑕疵保険は買主が申し込むものではなく、宅建業者・検査事業者・仲介事業者が加入するもので、検査への適合が条件です。安心R住宅は国の個別審査ではなく、登録事業者団体の構成員による表示制度です。

この記事の情報について

制度の内容は国土交通省の資料と宅地建物取引業法、保険の内容は住宅瑕疵担保責任保険協会と国土交通省の資料から取得しました。当サイトは施工した立場ではなく、取材や実測に基づく記述は含んでいません。「当サイトの整理です」と書いた箇所は当サイトの解釈であり、公的機関の見解ではありません。

確認していない範囲:既存住宅状況調査方法基準の告示本文を全条確認したわけではありません。調査費用の目安は公的資料では見つかりませんでした。瑕疵保険の商品ごとの保険料、免責、縮小てん補率、特約の詳細は保険法人ごとの確認が必要です。

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