マンションの専有部分と共用部分|窓は共用だが工事できる道がある

基礎知識
マンションの専有部と共用部|窓は共用だが工事できる道がある

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マンションのリフォームでは、自分の部屋であっても勝手に工事できない部分があります。窓ガラスやサッシは共用部分だからです。ただし国土交通省のマンション標準管理規約には、条件を満たせば区分所有者が自己の負担で工事できるという規定もあります。この記事では、専有部分と共用部分の境目を条文で確認します。

法律は「専有部分以外」を共用部分としている

建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)は、次のように定めています。

区分所有法における定義
条文 内容
第2条第3項 専有部分とは「区分所有権の目的たる建物の部分」
第2条第4項 共用部分とは「専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物」等
第4条第1項 廊下・階段室など構造上区分所有者の全員または一部の共用に供されるべき部分は、区分所有権の目的とならない
第11条 共用部分は区分所有者全員の共有に属する

出典:建物の区分所有等に関する法律/確認日2026年8月14日

法律は「専有部分以外」という書き方をしているため、具体的にどこまでが専有部分かは管理規約で決まります(当サイトの整理です)。

標準管理規約が示す境目

国土交通省のマンション標準管理規約は管理規約のひな型です。第7条が専有部分の範囲を定めています。

標準管理規約における主な部位の扱い
部位 扱い
天井・床・壁 躯体部分を除く部分が専有部分
玄関扉 錠と内部塗装部分が専有部分。それ以外は共用部分
窓ガラス・窓枠・サッシ・網戸等 共用部分
配管 専有部分の専用に供される設備のうち、共用部分内にある部分以外が専有部分

出典:国土交通省 マンション標準管理規約/確認日2026年8月14日

玄関扉の扱いが分かりやすい例です。鍵と内側の塗装は自分のもの、扉そのものは共用部分。したがって玄関ドアを交換する工事は、原則として管理組合の計画修繕の話になります(当サイトの整理です)。戸建の玄関ドアの補助制度は玄関ドアの記事で扱っています。

配管は縦管や共用部分内の配管が共用部分で、住戸内の横引き管は規約での確認が必要です。水回りのリフォームで配管に触れる場合は、この確認が前提になります。

窓は共用部分だが、工事できる場合がある

窓ガラスやサッシが共用部分であるにもかかわらず、実際には個人で内窓を付ける工事が行われています。その根拠が標準管理規約第22条です。

この条は、窓ガラス等の改良について、管理組合が計画修繕として行うことを原則としています。そのうえで、管理組合が速やかに実施できない場合で、専有部分の使用に支障が生じているときは、区分所有者が理事長の承認を受けて、自己の責任と負担で工事を実施できるとしています。

つまり「共用部分だから絶対にできない」ではなく、順番と条件がある、ということです(当サイトの整理です)。先進的窓リノベ2026事業で集合住宅の窓が対象になっている点は集合住宅の窓の補助の記事で扱っています。

専有部分の工事にも承認が要る

専有部分のリフォームであっても、手続きは必要です。標準管理規約第17条は、修繕・模様替え・建物に定着する物件の取付けまたは取替えを行う場合、あらかじめ理事長に申請し、書面による承認を受ける必要があるとしています。申請には設計図、仕様書、工程表の添付が求められます。

戸建のリフォームとの大きな違いです。工事の契約前に、管理組合への申請に必要な書類を施工業者に用意してもらう段取りが要ります(当サイトの整理です)。

費用の出どころが違う

大規模修繕と専有部分リフォームの違い
— 大規模修繕 専有部分のリフォーム
対象 共用部分の維持管理・修繕 専有部分
費用 管理組合の修繕積立金 原則として区分所有者の負担
意思決定 管理組合(総会決議等) 区分所有者。ただし理事長の承認が必要

出典:国土交通省 マンション標準管理規約/確認日2026年8月14日

専有部分の工事に伴って共用部分に影響が及ぶ場合は、管理規約・使用細則に従うことになります。賃貸オーナー向けの大規模修繕の実例はアパート修繕の記事で扱っています。

まとめ

区分所有法は共用部分を「専有部分以外」と定めており、具体的な範囲は管理規約で決まります。国土交通省のマンション標準管理規約では、天井・床・壁は躯体部分を除く部分が専有部分、玄関扉は錠と内部塗装部分のみが専有部分、窓ガラス・窓枠・サッシ・網戸等は共用部分です。ただし第22条により、管理組合が速やかに実施できず専有部分の使用に支障が生じている場合は、理事長の承認を得て区分所有者が自己の負担で窓の工事を行える道があります。専有部分のリフォームでも第17条により理事長への申請と書面承認が必要で、設計図・仕様書・工程表の添付が求められます。実際のマンションでは各管理規約が優先するため、必ず自分のマンションの規約を確認してください。

この記事の情報について

条文は建物の区分所有等に関する法律、規約の内容は国土交通省のマンション標準管理規約から取得しました。当サイトは施工した立場ではなく、取材や実測に基づく記述は含んでいません。「当サイトの整理です」と書いた箇所は当サイトの解釈であり、公的機関の見解ではありません。

確認していない範囲:標準管理規約の改正後PDF本文の全条文引用までは行っていません。実際のマンションでは各管理規約・使用細則が優先されるため、個別の判断は確認していません。配管の帰属は規約改正や実務で複雑になるため、標準管理規約をもとにした整理にとどめています。

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