リフォームに関する消費生活相談は、国民生活センターと住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)の2つの公的統計で追うことができます。この記事では、両者が公表している相談件数の推移を、それぞれの集計方法の違いに注意しながら整理します。
2つの統計は集計範囲が異なり、単純比較はできない
国民生活センターは、全国の消費生活センター等に寄せられた相談をPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)で集計しています。一方、住まいるダイヤルは住宅リフォーム・紛争処理支援センターが独自に受け付けた電話相談を集計しています。相談を受け付ける窓口自体が違うため、当サイトはこの記事内で両者の件数を単純に足し合わせたり、比較したりはしません(当サイトの整理です)。それぞれの推移を別々に確認します。
国民生活センター:訪問販売の相談は減少、点検商法は増加
国民生活センターは、屋根工事・壁工事・増改築工事・塗装工事・内装工事を合わせた「訪問販売によるリフォーム工事」と、無料点検を口実にした「点検商法」の相談件数を公表しています。
訪問販売によるリフォーム工事の相談件数は、2023年度11,879件、2024年度9,839件、2025年度5,544件、2026年度は2026年5月31日時点で602件(前年同期680件)。点検商法の相談件数は、2023年度12,550件、2024年度19,249件、2025年度19,696件、2026年度は2026年5月31日時点で2,193件(前年同期2,012件)。
「訪問販売によるリフォーム工事」という名称の相談は3年連続で減っている一方、「点検商法」は3年連続で増えています。この2つの相談類型は、手口としては近いものの、統計上は別の区分として集計されている点に注意が必要です(当サイトの整理です)。この傾向の詳しい内容はリフォームの訪問販売の記事で扱っています。
住まいるダイヤル:新規相談件数は10年でおおむね増加基調
住まいるダイヤルは、電話相談の新規相談件数を年度ごとに公表しています。「住宅相談統計年報2025」の資料編によると、リフォーム相談の新規件数は次のように推移しています。
リフォーム相談は2015年度9,852件、2016年度10,404件、2017年度10,138件、2018年度11,744件、2019年度11,948件、2020年度9,197件、2021年度11,046件、2022年度12,243件、2023年度12,011件、2024年度11,920件。
| 年度 | 件数 |
|---|---|
| 2015 | 9,852 |
| 2016 | 10,404 |
| 2017 | 10,138 |
| 2018 | 11,744 |
| 2019 | 11,948 |
| 2020 | 9,197 |
| 2021 | 11,046 |
| 2022 | 12,243 |
| 2023 | 12,011 |
| 2024 | 11,920 |
出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2025」資料編/確認日2026年8月14日
2020年度に一度落ち込んだものの、それ以降は再び増加し、2022年度の12,243件を直近のピークに、2023・2024年度は12,000件前後で推移しています。単年での増減はありますが、2015年度から2024年度までの10年間で見ると、水準そのものはやや切り上がっています(当サイトの整理です)。
年代別では50〜70代がリフォームの見積チェック相談の中心
住まいるダイヤルは、リフォームの見積書を確認する「リフォーム見積チェック」というサービスの利用実績も公表しています。
2024年度のリフォーム見積チェック127件のうち、50歳代38件、60歳代28件、70歳代以上32件。
この127件のうち、50代以上が占める割合は約77%(98件)にのぼります。見積書を第三者機関に確認してもらう行動は、50代以上の年代でより多く使われている傾向が読み取れます(当サイトの整理です)。手抜き工事などを疑ったときの相談先は手抜き工事の相談先の記事にまとめています。
まとめ
リフォームの消費生活相談は、国民生活センターと住まいるダイヤルという集計範囲の異なる2つの統計で追うことができます。国民生活センターの統計では「訪問販売によるリフォーム工事」の相談が減少する一方、「点検商法」は増加しています。住まいるダイヤルの新規相談件数は、2015年度から2024年度の10年間でおおむね増加基調にあります。見積チェックの利用は50代以上が中心です(当サイトの整理です)。
この記事の情報について
本文の件数は、国民生活センターおよび住宅リフォーム・紛争処理支援センターの公表資料から直接確認したものです。当サイトは施工した立場ではなく、取材や実測に基づく記述は含んでいません。「当サイトの整理です」と書いた箇所は当サイトの解釈であり、公的機関の見解ではありません。
- 国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」kokusen.go.jp/soudan_topics/data/reformtenken.html/確認日 2026年8月14日
- 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2025」資料編chord.or.jp/documents/tokei/soudan_siryou_web/2025.html/確認日 2026年8月14日
確認していない範囲:国民生活センターと住まいるダイヤルの件数は集計範囲・集計方法が異なるため、この記事では単純比較していません。相談内容の詳細な内訳(訪問販売相談652件の内訳など)は、この記事の範囲では扱っていません。2025年度以降の住まいるダイヤルの年度計の数字は、当サイトが調べた時点では公表を確認できていません。
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