空き家・相続ガイド|相続登記の期限が2027年3月31日に迫っている

相続した家をどうするか考えるとき、選択肢は「直して使う」「壊す」「売る」の3つです。そのどれにも制度が用意されていますが、いずれも所有者が確定していることが前提になります。2024年4月に相続登記が義務化され、しかも過去の相続にも遡って適用されるため、まず登記の状態を確認する順番になります。

このカテゴリでは、空家法と固定資産税の関係、改修・除却の補助制度、相続登記の義務化を公的資料で整理しています。

期限が2つ動いている

空き家に関する制度には、いま期限が迫っているものが2つあります。

期限のある制度(2026年8月14日時点)
制度 期限 対象
相続登記の申請義務 2027年3月31日 2024年4月1日より前に開始した相続で未登記のもの
空き家の譲渡所得3,000万円特別控除 2027年12月31日(制度の期限) 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡

出典:法務省、国土交通省/確認日 2026年8月14日

相続登記を怠ると10万円以下の過料の対象になります。詳細は相続登記の義務化の記事で扱っています。

放置すると税が上がる仕組み

2023年の空家法改正で「管理不全空家等」が追加され、倒壊のおそれが出る前の段階でも市町村長が指導・勧告できるようになりました。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除されます。

住宅用地特例が解除された場合の課税標準
区分 特例あり 解除されると
小規模住宅用地(200平方メートルまで) 価格の6分の1 課税標準だけで見ると最大6倍
一般住宅用地 価格の3分の1 課税標準だけで見ると最大3倍

出典:国土交通省 土地の保有に係る税制/確認日 2026年8月14日

ただしこれは課税標準の話で、実際の税額は負担調整措置などで変わります。仕組みの詳細は空家法と固定資産税の記事にまとめています。

直すにも壊すにも補助がある

改修は上限100万円前後、除却は上限50万円から160万円まで、自治体によって幅があります。

  • 改修:甲斐市100万円、静岡市は3分の2以内・上限100万円(移住者・子育て世帯等は200万円)、瑞浪市は市内事業者施工なら3分の2以内
  • 除却:松山市は上限100万円(島しょ部160万円)、札幌市は通常型50万円・地域連携型150万円、長崎市は最大50万円

改修補助の多くが空き家バンクへの登録を条件にしています。金額と条件は空き家の改修と解体に出る補助金の記事で扱っています。

全国の空き家は約900万戸

令和5年住宅・土地統計調査によると、2023年10月1日時点の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%でした。区分別では賃貸用が約443.6万戸で最多ですが、空家法が主に問題にしているのは「その他の住宅」に分類される約385.6万戸です。

賃貸用や売却用は市場に出ていて管理する主体がいますが、相続したまま使われていない家の多くは「その他の住宅」に入ります(当サイトの整理です)。

このカテゴリの記事

この記事の情報について

条文は空家等対策の推進に関する特別措置法・不動産登記法・租税特別措置法、統計は総務省統計局、制度の説明は国土交通省と法務省の資料から取得しました。自治体の金額は各自治体の公式ページで確認しています。当サイトは施工した立場ではなく、取材や実測に基づく記述は含んでいません。「当サイトの整理です」と書いた箇所は当サイトの解釈であり、公的機関の見解ではありません。

確認していない範囲:自治体の制度は公式ページで確認できた代表例であり、全国を網羅したものではありません。各自治体の予算残額と受付終了の状況、空き家バンクの登録要件の細部は確認していません。相続登記の「正当な理由」の具体例、空き家の譲渡所得特別控除の全要件も整理しきれていません。手続きの詳細は法務局・司法書士・税理士、補助制度は自治体の窓口でご確認ください。