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「断熱改修をすると電気代はいくら下がるか」を調べようとすると、電気代だけを取り出した公的な試算は見つかりませんでした。国土交通省が公表しているのは、電気・ガス・灯油をまとめた「光熱費」全体の試算です。この記事では、その試算の前提と結果をそのまま確認します。
電気代だけを取り出した公的な試算は見つからなかった
断熱改修によって電気代がいくら下がるかを示す、電気代単体の公的な統計・試算は見つかりませんでした。国土交通省の「省エネ性能表示制度」が公表しているのは、電気・都市ガス・灯油をまとめた「目安光熱費」という指標です。住宅の省エネ性能に応じて国が定める計算方法で算出した年間のエネルギー消費量に、燃料単価を掛け合わせたものです。
目安光熱費とは、住宅の省エネ性能に基づき、一定の設定条件の下で、想定される年間の光熱費の目安額を示すものです。実際の光熱費とは異なりますので、ご注意下さい。
「目安」であって実測値ではない点、電気代単体ではなく光熱費全体である点の2つに注意が必要です(当サイトの整理です)。
国が公表している光熱費の試算(省エネ基準とZEH水準の比較)
国土交通省の資料では、「今の省エネ基準」の住宅と「ZEH水準の省エネ住宅」で、年間の光熱費がどれだけ変わるかを都市別・単価設定別に試算しています。
| 試算条件 | 地域 | 今の省エネ基準 | ZEH水準の省エネ住宅 | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| 試算例①(2017〜19年度単価) | 札幌市等 | 346,000円 | 250,000円 | ▲96,000円 |
| 試算例①(2017〜19年度単価) | 東京都23区等 | 239,000円 | 193,000円 | ▲46,000円 |
| 試算例②(直近の単価) | 札幌市等 | 396,000円 | 289,000円 | ▲107,000円 |
| 試算例②(直近の単価) | 東京都23区等 | 277,000円 | 224,000円 | ▲53,000円 |
出典:国土交通省「省エネ住宅で節約できる年間の光熱費」/確認日2026年8月14日
この差額は電気代だけでなく、ガス代・灯油代も含めた光熱費全体の差です。ZEH水準の住宅のほうが年間の光熱費が低い試算になっていますが、電気代がどれだけを占めるかの内訳は、この資料からは分かりません(当サイトの整理です)。ZEH水準(断熱等性能等級5)の意味は断熱等級の記事で解説しています。
試算に使われている前提(燃料単価)
試算例①・②で使われている燃料単価は、それぞれ次のとおりです。
| 項目 | 試算例① | 試算例② |
|---|---|---|
| 電気料金単価 | 27円/kWh | 31円/kWh |
| 都市ガス単価 | 156円/㎥ | 184円/㎥ |
| 灯油単価 | 88円/L | 101円/L |
出典:国土交通省「省エネ住宅で節約できる年間の光熱費」/確認日2026年8月14日
試算例②のほうが単価が高く設定されているため、差額も試算例②のほうが大きくなっています。実際の契約プランや使用条件によって、この試算からの乖離が生じる点は、国土交通省自身が注意事項として明記しています。
この試算は住宅全体の比較であり、断熱改修単体の効果ではない
この試算は、新築時点で「今の省エネ基準」相当の住宅と「ZEH水準」相当の住宅を比較したものです。既存住宅の壁・床・天井だけを断熱改修した場合に、これと同じ削減額になるとは限りません(当サイトの整理です)。改修前後の性能差が小さければ効果も小さく、大きければ効果も大きくなると考えられますが、それを定量化した公的な試算は見つかりませんでした。断熱改修そのものの費用については断熱改修費用の記事で扱っています。
太陽光発電と合わせた場合の考え方
太陽光発電を併せて検討している場合、電気代への影響は太陽光の発電量そのものにも左右されます。太陽光発電による電気代への効果は、姉妹サイトのソーラー資料室の電気代の記事で、国が売電価格の算定に使っている前提値をもとに計算されています。断熱改修と太陽光のどちらを先に検討すべきかは断熱と太陽光の順番の記事で整理しています。
まとめ
断熱改修による電気代単体の削減額を示す公的な試算は見つかりませんでした。国土交通省が公表しているのは、電気・ガス・灯油をまとめた「目安光熱費」という指標で、今の省エネ基準の住宅とZEH水準の住宅を比較すると、年間で46,000円から107,000円(地域・単価設定による)の差があるという試算です。ただしこれは新築時点の住宅性能の比較であり、既存住宅の断熱改修そのものの効果を示したものではありません(当サイトの整理です)。
この記事の情報について
本文の光熱費試算・燃料単価は、国土交通省の公式資料から直接取得したものです。当サイトは施工した立場ではなく、取材や実測に基づく記述は含んでいません。「当サイトの整理です」と書いた箇所は当サイトの解釈であり、公的機関の見解ではありません。
- 省エネ住宅で節約できる年間の光熱費(国土交通省)mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001716593.pdf/確認日 2026年8月14日
- 目安光熱費 | ラベル項目の解説(国土交通省)mlit.go.jp/shoene-label/utility_costs.html(算出方法・注意事項)/確認日 2026年8月14日
確認していない範囲:電気代だけを取り出した削減額の公的な試算は、調べた範囲では見つかりませんでした。既存住宅の部分的な断熱改修(壁のみ・窓のみ等)による光熱費への効果を定量化した資料も確認していません。実際の削減額は住宅の使用状況や契約プランによって変わるため、試算値をそのまま自分の家に当てはめることはできません。制度や単価は変わる可能性があります。
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