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「リフォームの費用相場はいくらか」という質問に、当サイトは公的な出典なしでは答えません。この記事では、国が公表している統計と、業界団体がアンケートで集めている数字を分けて示します。工事業者が国に報告する統計と、リフォームした人への聞き取り調査では、対象も集計方法もまったく違います。
国の統計は「工事業者の受注高」であって「1件あたりの費用」ではない
国土交通省は「建築物リフォーム・リニューアル調査」を四半期ごとに実施しています。建設業許可業者5,000者を対象に、元請けとして受注したリフォーム・リニューアル工事の受注高を調べる調査です。
令和7年度計の受注高の合計は、16兆4,104億円で、対前年度比18.7%増加しました。うち、住宅に係る工事の受注高は4兆9,033億円で、同18.7%増加しました。
この4兆9,033億円のうち、発注者が「個人」だった工事の受注高は3兆769億円です。ただし、この統計は工事1件あたりの費用を示すものではなく、業者側が受注した総額を積み上げたものです。「1軒あたりいくら」を知りたい消費者の関心とは、統計の作られ方がそもそも違います(当サイトの整理です)。
個人の費用感の数字は、業界団体のアンケート調査にしかない
「実際に自分の家をリフォームした場合、いくらかかったか」に近い数字は、住宅リフォーム推進協議会が毎年実施しているアンケート調査に出てきます。ただしこれは全数調査ではなく、インターネットリサーチによる標本調査です。
リフォーム検討者の希望予算の平均は【277万円】、リフォーム実施者の検討時の予算は、【291万円】でともに前回より上昇。実際にかかった費用(補助金を含む)は平均【434.2万円】と前回平均より上昇した。
この調査の回答者数は、リフォーム実施者1,050名(2024年7月調査)です。全国のリフォーム実施者を代表する数値になるよう年代構成のウェイトバック集計をしていますが、母集団を全数調査した結果ではありません。「平均434.2万円」という数字は、あくまでこの1,050名への調査結果であることを明記した上で紹介します(当サイトの整理です)。
| 統計 | 実施主体 | 対象 | 示す数字 |
|---|---|---|---|
| 建築物リフォーム・リニューアル調査 | 国土交通省 | 建設業許可業者5,000者 | 業者側の受注高の合計(市場規模) |
| 住宅リフォームに関する実態調査 | 住宅リフォーム推進協議会 | リフォーム実施者1,050名(標本調査) | 回答者の自己申告による予算・実費の平均 |
出典:国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査報告(令和7年度計)」、住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォームに関する消費者・事業者に関する実態調査(令和7年2月公表)」/確認日2026年8月14日
工事の種類別・面積あたりの単価を示す公的統計は見つかりませんでした
「窓の断熱リフォームは1㎡あたりいくら」「外壁塗装は1㎡あたりいくら」といった、工事種類別・単価ベースの公的統計は、上記2つの調査のいずれにも見当たりませんでした。国土交通省の調査は工事部位別の受注件数(給水給湯排水衛生器具設備、内装など)は集計していますが、部位別の平均単価までは公表していません。この点は「見つかりませんでした」と明記します。
個別工事の費用については、給湯器交換はエコキュートの交換費用の記事、窓の内窓設置は内窓の費用の記事で、それぞれ国の補助額の一覧(公的資料)をもとに整理しています。太陽光発電の費用について、姉妹サイトのソーラー資料室では太陽光の費用はいくらかの記事で国の使用単価を検証しています。同じ考え方で、「相場」という言葉を安易に使わない立場です(当サイトの整理です)。
予算と実費のズレは、業界団体の調査からも読み取れる
住宅リフォーム推進協議会の調査では、当初の予算と実際にかかった費用のズレについても聞いています。
実際にリフォームにかかった費用について、「予算とほぼ同額だった」は47.5%と前年度からやや上昇、「予算を上回った」は29.3%と前年度から下降。「予算を下回った」は11.5%と前年度より上昇。
予算を上回った理由としては、「予定よりリフォーム箇所が増えた」(42.2%)、「設備を当初よりグレードアップした」(39.6%)が上位でした。これは自己申告ベースの調査結果であり、工事内容や地域による違いまでは分解されていません。予算立ての参考にはなりますが、個別の工事見積もりの妥当性を判断する材料ではない点に注意が必要です(当サイトの整理です)。資金計画そのものについては支払いのタイミングの記事もあわせて確認してください。
まとめ
リフォーム費用の「相場」を語る公的統計は、実は2種類しかありません。1つは国土交通省の建築物リフォーム・リニューアル調査で、これは業者側の受注高の集計です。もう1つは住宅リフォーム推進協議会のアンケート調査で、これは回答者1,050名の自己申告による標本調査です。両者とも「工事1件あたりの単価」を出す設計にはなっておらず、工事種類別・面積あたりの単価を示す公的統計は見つかりませんでした。出どころ不明の「相場は◯万円」という言葉には注意が必要です(当サイトの整理です)。
この記事の情報について
本文の数字は、国土交通省と住宅リフォーム推進協議会が公表している資料から直接引用したものです。当サイトは施工した立場ではなく、取材や実測に基づく記述は含んでいません。
- 国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査報告(令和7年度第4四半期受注分、令和7年度計)」mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_001375.html/確認日 2026年8月14日
- 国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査」概要ページmlit.go.jp/statistics/details/t-other-2_tk_000220.html/確認日 2026年8月14日
- 住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォームに関する消費者・事業者に関する実態調査について(令和7年2月)」j-reform.com/pdf/topic-202502-1.pdf/確認日 2026年8月14日
確認していない範囲:工事種類別・面積あたりの単価を示す公的統計は、調べた範囲では見つかりませんでした。住宅リフォーム推進協議会の調査における地域別・工事内容別の詳細な内訳までは確認していません。個別の工事費用の妥当性は、この記事の数字だけでは判断できません。実際の見積もりは複数の事業者に確認してください。制度や統計の数値は更新される可能性があります。
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